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家づくりコラム

2023年11月06日

吹き付け断熱とは?メリットやデメリットを解説



夏と冬の温度差が激しい日本の住宅では、断熱性能は重要です。断熱工法の中でも注目を浴びているのが、吹き付け断熱です。高い断熱性能が特徴なため、特に寒冷地での住宅に向いています。本コラムでは吹き付け断熱の特徴や、メリット・デメリットを紹介します。

目次

吹き付け断熱とは?種類と特徴

 吹き付け断熱の特徴

 吹き付け断熱の種類

吹き付け断熱3つのメリット

 1.気密性・断熱性・低温特性に優れている

 2.接着力が高く結露が発生しにくい

 3.防音効果が期待できる

吹き付け断熱2つのデメリット

 1.他の断熱材に比べ価格が高い

 2.施工には一定の技術を要する

吹き付け断熱とグラスウールの違いとは

吹き付け断熱の特徴を知り住まいに合った断熱材を選ぼう

吹き付け断熱とは?種類と特徴


吹き付け断熱は名前の通り断熱材を吹き付けする工法です。雨や風を防ぐだけであれば断熱材は必要ありませんが、快適に暮らすためには断熱性はとても重要です。断熱性が高ければ、暑さや寒さが伝わることを防げるでしょう。


完全に熱を遮断することは難しくても、室内の快適性を保つためには断熱材は欠かせません。断熱工法の一つである吹き付け断熱の特徴や、断熱材の種類について紹介していきます。


吹き付け断熱の特徴

吹き付け断熱とは、霧状の断熱材を壁や天井に吹き付けて発泡体を作り、家の断熱性を高める工法のことを言います。吹き付けする断熱材は発泡性ウレタンと呼ばれるもので、液状の基材を霧にして吹き付けると、スポンジ状に変化します。スポンジ状に硬化した発泡性ウレタンの中には無数の細かい気泡ができ、空気を気泡に閉じ込めることで従来の断熱材よりも高い断熱性能が期待できるでしょう。


また霧状で吹き付けるため隙間なく断熱材を貼れ、より高い気密性を確保できます。このような特徴から、注目を浴びており公共施設などにも多く利用されています。


吹き付け断熱の種類

吹き付け断熱で使う断熱材には次の2種類があります。


  • 軟質ウレタン

  • 硬質ウレタン


軟質ウレタンは名前の通り軽くてやわらかい素材で、スポンジのように空気や水が通りやすい特徴があります。霧状にスプレーしたものが100倍にも膨れるため、100倍発泡とも言われます。気泡が連続しているため、復元性があることが特徴といえるでしょう。


硬質ウレタンは硬い素材で、気泡が独立しており復元性がありません。湿気に強く空気を通さないため断熱性能が高く、吹き付け断熱では主に硬質ウレタンが使われます。硬質ウレタンは30倍発泡といわれており、フロン・ノンフロンでも断熱性能に差がありまが、フロンのほうが断熱性能は良くなっています。


吹き付け断熱3つのメリット


吹き付け断熱には、次の3つのメリットがあります。


  1. 気密性・断熱性・低温特性に優れている

  2. 接着力が高く結露が発生しにくい

  3. 防音効果が期待できる


断熱性能が高く、隙間なく充填できる吹き付け断熱は寒冷地の北海道に適しています。それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。


1.気密性・断熱性・低温特性に優れている

吹き付け断熱で使われる発泡ウレタンは、冬物のコートのように内部に多量の空気を含んでおり、屋内の温度調整が行えます。空気は熱伝導率が低く、気泡で包むことで夏には熱波、冬には冷たい外気を防いでくれるでしょう。また発泡ウレタンは他の断熱材に比べると接着する力が強いため複雑な構造でも、隙間なく充填できるため、断熱効果とともに気密効果も高められるのが特徴です。-60℃の超低温でも優れた性能を発揮するなど、寒冷地の施工に適しているでしょう。


冬だけでなく夏も室内の冷たい空気を逃さないため、エアコンの負担を抑えられ光熱費の節約につながります。高い断熱性能に加えて、気密性や低温特性に優れているため、経済的にもメリットがあります。



2.接着力が高く結露が発生しにくい

発泡ウレタンはほかの断熱材に比べると、高い接着力があります。壁に吹き付けた後もずれにくく、地震で住宅が動いたとしても剥がれ落ちる不安がありません。経年劣化による住宅の歪みにも強いため、そのため高い断熱性能を長く保てるでしょう。


また気密性の高さもあるため、施工後に見えなくなってしまう壁内の結露も防げます。結露は住宅の敵とも言われ、木材が腐ってしまう要因です。結露を放っておくと「腐朽菌(ふきゅうきん)」という菌が発生し、木を腐らせてしまうでしょう。


「腐朽菌(ふきゅうきん)」の発生要因は「水分」「適温」「養分(木材など)」「酸素」といわれており、「水分」「適温」「養分(木材など)」は一般の住宅では防ぎようがありません。


そのため結露を防ぐことで、木材の劣化を防げます。また木材の腐食だけでなく、カビが生えてしまい健康への影響もあるでしょう。


カビはぜん息や気管支炎、アトピー性皮膚炎などの要因となり、特に小さなお子さまは影響を受けやすいです。吹き付け断熱を利用することで、カビを防いで衛生的な暮らしを実現できるだけでなく、建物の寿命を延ばせるでしょう。


3.防音効果が期待できる

発泡性ウレタンは施工後にスポンジ状に変化するため、防音効果も期待できるでしょう。防音にはその部屋で発生した音の反響を小さくする吸音と、外部からの音を通さな遮音があります。スポンジ状の発泡性ウレタンを隙間なく充填する吹き付け断熱では、無数の空気が壁内にあるため外からの音が伝わらない遮音性能が高いです。


交通量の多い道路に面している場合や、騒音などの心配がある立地でも、吹き付け断熱は適しているといえるでしょう。


吹き付け断熱2つのデメリット


メリットの次はデメリットを紹介しす。吹き付け断熱のデメリットは、下記の2つです。


  1. 他の断熱材に比べ価格が高い

  2. 施工には一定の技術を要する


それぞれについて、詳しく解説します。


1.他の断熱材に比べ価格が高い

吹き付け断熱は、ほかの断熱材と比べると価格が高い点がデメリットといえるでしょう。安価なボード式断熱材であるグラスウールとは、価格が3倍も違います。また吹き付け断熱は壁や天井に隙間なく吹き付けるため、住宅の広さによって価格が変わってきます。


広い住宅や複雑な構造をしている建物の場合価格が高くなってしまうため、予算が合わない場合はグラスウールを検討するようにしましょう。


2.施工には一定の技術を要する

吹き付け断熱を施工するには、一定の技術を要します。吹き付け断熱は発泡性ウレタンを敷き詰めるのではなく、施工現場で吹き付けて充填させます。現場の作業員の技術に委ねられることになるため、仕上がりにムラが出てしまうこともあるでしょう。施工技術が十分でないと隙間ができてしまい、断熱や防音の効果が落ちてしまうかもしれません。


一定の技術を持っている作業員がいる施工会社でなければ、せっかくの吹き付け断熱工事が無駄になってしまいます。吹き付け断熱を依頼する際には、施工会社の実績を良く聞いたうえで検討するようにしましょう。



吹き付け断熱とグラスウールの違いとは

吹き付け断熱以外で、よく利用されている断熱施工法がグラスウールです。グラスウールはガラスを細かく糸状に加工した断熱材で、その多くはリサイクルガラスを利用しているため、環境にやさしく、価格は低い傾向にあります。原材料がガラスでできているため、虫に食われにくいことも特徴といえるでしょう。


グラスウールの原材料であるガラスは不燃性の素材です。燃えにくく、万が一火事が起こってしまった場合でも、有毒ガスが発生しません。壁内に不燃性のグラスウールがあれば、隣家で火災が起こって家の壁が数百度まで熱されても、延焼を防いでくれるでしょう。


一方で吹き付け断熱と比べると吸湿性はないため、湿気が増えてしまうと断熱性能が落ちてしまう可能性があります。グラスウールは綿状にした材料を敷き詰めて施工します。高い断熱性能を実現させるためには隙間なく確実に施工する必要があるという点では、吹き付け断熱と同じといえるでしょう。


グラスウールは発泡性ウレタン同様に柔軟性のある素材であるため、枠に合わせてしっかりと施工されていれば、地震の揺れや経年による家の歪みがあっても、隙間ができにくい点も共通しています。断熱材を施工する際には、それぞれの違いや特徴を理解したうえで住まいや地域に応じたものを選ぶようにしましょう。


吹き付け断熱の特徴を知り住まいに合った断熱材を選ぼう

吹き付け断熱は、発泡ウレタンを霧状にして壁内に充填させる断熱施工法の一つです。吹き付けられた発泡ウレタンはスポンジのようにふくらみ、気泡の中に空気を含みます。そのため冬物のコートのように、高い断熱効果が期待できるでしょう。また隙間なく充填できるため、高い気密性もあります。

高い断熱性と気密性によって室内の温度を逃さないため、寒冷地での住宅には適しているでしょう。しかしグラスウールなどと比べると価格が高く、施工には一定の技術が必要です。断熱材を施工する際には特徴を理解して、住まいや地域にあった材料を選びましょう。

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