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2022年05月21日

基礎断熱と床断熱はどちらが寒冷地に向いている?違いやメリットも紹介


基礎断熱と床断熱の違いについてわかりやすく解説します。それぞれのメリットやデメリットも紹介するので、参考にしてください。また、どちらが寒冷地におすすめなのか、併用できるのかについても詳しく見ていきましょう。



基礎断熱とは?

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基礎断熱とは、住宅の基礎部分全体を断熱材で覆う断熱工法です。建物のもっとも下にある基礎部分に断熱材を敷き詰めて断熱仕様にすることで、床下や地面からの冷気を遮断します。


基礎断熱は北海道の住宅で検証され、確立した工法です。現在でも主に寒冷地の住宅で用いられており、暖かな住空間の確保に役立てられています。


基礎断熱のメリット

基礎断熱を選択することで、住宅全体が暖かく、寒い時期も生活しやすくなります。また、外気の影響を受けにくくなるため、夏は冷房が効きやすく、快適かつ涼しい生活を実現できるでしょう。


基礎断熱のメリットは暖かさを確保することだけではありません。その他のメリットとして次の2点を挙げられます。


  • 基礎断熱は全館空調と好相性

  • 地熱利用で省エネ効果アップ


それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。


基礎断熱は全館空調と好相性

基礎断熱の工法では、床下に気密性のパッキンを用いるため、外気の影響を受けにくく、室温を一定に保ちやすくなります。そのため、全館空調も実現でき、比較的少ない電力で家の隅々まで快適な温度を維持できるでしょう。


また、床下エアコンを利用できる点も基礎断熱のメリットです。基礎断熱では、床下にも室内と同じように空調システムを効かせることができます。足元から暖かさを得られるので、空気全体が暖まりやすく、家の中で温度差が生じにくくなるでしょう。


地熱利用で省エネ効果アップ

基礎断熱工法を利用することで、エアコンやファンヒーターなどをフル稼働させなくても、暖かさを維持できるようになります。電気代を節約できるだけでなく、エネルギー効率が高くなり、省エネ効果も得られるでしょう。


また、基礎部分を断熱材で覆うことで地熱が留まり、床下を暖める役割を果たします。地熱は季節を問わず13~15度程度の安定した温度を維持するといわれているので、冬場も底冷えせずに過ごせるでしょう。


基礎断熱のデメリット

基礎断熱には、暖かく過ごせるだけでなく、全館空調の実現や省エネ効果アップなど多くのメリットがあります。しかし、デメリットがないわけではありません。特に注意したいデメリットとしては、次の2点が挙げられます。


  • シロアリが基礎部分に入り込むことがある

  • カビが発生しやすくなることがある


基礎断熱では基礎部分を断熱材で覆うため、基礎の内部から外部への道筋は遮断されることになります。そのため、シロアリが断熱材を通って柱や基礎などに移動する可能性も想定されるでしょう。基礎断熱工法を選ぶときは、断熱材は防蟻処理をしたものを使う、基礎周りに定期的にシロアリ駆除剤を入れるなど、シロアリ対策にも力を入れる必要があります。


また、基礎部分のコンクリートはすぐに乾燥するわけではありません。基礎工事を終えてから1~2年間かけて水分が抜け、完成します。しかし、基礎断熱では基礎部分を断熱材で覆うため、水蒸気が周囲に残り、カビが発生しやすくなるでしょう。基礎部分に換気口をいくつか開ける、1階の床に通気口を作って基礎部分の空気が室内に逃げられるようにするなどの対策が必要となります。



床断熱とは?


床断熱とは、床下に断熱材を敷く工法です。基礎断熱では基礎部分も室内の一部と考えて断熱材で覆いますが、床断熱では床下は室外と考え、床上の空間が暖かくなるように断熱材で区切ります。


また、床断熱では、基礎に通気口を設けたり、基礎と土台の間に通気部材を組み込んだりすることで、湿気を逃がす工夫をしていることが一般的です。そのため湿気がこもりにくいという特徴があります。


床断熱のメリット

床断熱工法で建てている住宅は多く、また歴史も古いため、基礎断熱と比べると費用が低いというメリットがあります。また、大抵のハウスメーカーや工務店では床断熱の工事に慣れているため、施工もスムーズに進むでしょう。


また、床断熱工法では基礎部分と土台の間の通風が確保されているため、床下に湿気がこもりにくく、シロアリの被害に遭いにくいというメリットもあります。とはいえ絶対にシロアリの被害がないわけではないため、定期的にシロアリ防除工事などを実施することは不可欠です。


床断熱のデメリット

床断熱工法は、基礎断熱工法と比べると気密性を確保しにくいため、室温を一定に保つことが難しいです。そのため、断熱処理をしない住宅と比べると暖かさを維持できますが、基礎断熱と比べると外気の影響を受けやすくなるでしょう。


また、基礎部分から冷気が入り込む可能性もあります。夏場は床下に冷気がこもりやすく、結露を起こすこともあるので注意が必要です。



その他の断熱方法との違い

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断熱性能を高め、快適な住宅にするための方法は基礎断熱と床断熱だけではありません。例えば次の3つの方法は、いずれも施工が比較的簡単で、短期間で実施できます。


  • 外壁断熱

  • トリプルガラス

  • 複合サッシ


また、ハウスメーカーや工務店によっては、次の工法も実施していることがあります。


  • 基礎断熱と床断熱の併用


それぞれの工法について見ていきましょう。


外壁断熱

外壁の外側に断熱材を外張りすることで、断熱性能を高めることができます。入居したまま施工が可能なので、断熱リフォームの方法としても検討できるでしょう。


ただし、断熱材には厚みがあるため、隣家との間の隙間があまりないときは工事が実施できません。外壁工事が難しい場合には、屋根に断熱材を外張りするなどの方法も検討できるでしょう。


また、断熱効果のある塗料を外壁に塗装することで、断熱性能を高めることが可能です。断熱塗料を塗装すると外気の影響を受けにくくなるので、冬場の暖かさを維持するだけでなく、夏は室内が暑くなりにくくなります。


トリプルガラス

室内の窓ガラスを、ガラスが二重のペアガラスや三重のトリプルガラスに変えることも断熱性能を高める方法です。ガラスとガラスの間に空気の層が生まれるので、室温が外部に漏れにくくなります。


複合サッシ

サッシを断熱効果のある複合サッシに変えるという方法もあります。複合サッシは室内側は木や樹脂、屋外側はアルミが使われているので、熱を通しにくく高い気密性を確保できるでしょう。また、結露がつくと木は腐食する恐れがありますが、複合サッシでは手入れがしにくい外側の素材にアルミを用いているため、腐食も回避しやすくなります。


基礎断熱と床断熱の併用

ハウスメーカーや工務店によっては、基礎断熱と床断熱を組み合わせて断熱性能を高めることもあります。すべてのハウスメーカーや工務店で対応しているわけではないので、希望する方は事前に確認しておきましょう。


併用することで基礎断熱と床断熱の良い部分を活かし、床下を湿気から守りつつ、冬場に床面が底冷えしない住宅に仕上げていきます。足元の冷えが気になる方におすすめの工法といえるでしょう。



寒冷地には基礎断熱がおすすめ!ぜひご相談ください

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寒冷地にお住まいの方には、基礎部分から断熱材で覆う基礎断熱がおすすめです。インゾーネでは基礎断熱で大切なお住まいをおつくりしています。ぜひお気軽にお問い合わせください。



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